願う、世界の平和 祈念像「浄め」 沖縄


願う、世界の平和 祈念像「浄め」 沖縄 沖縄平和祈念像のほこりを布で丁寧に拭き取る参加者=14日、糸満市摩文仁の沖縄平和祈念堂
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 【糸満】23日の慰霊の日を前に、糸満市摩文仁の沖縄平和祈念堂で14日、沖縄平和祈念像のほこりを払う「浄(きよ)め」が実施された。今年で46回目。県内のバスガイドや県工芸振興センターの研修生ら計28人が参加した。高さ約12メートル、幅約8メートルの祈念像のほこりを丁寧に拭き取った。

 沖縄平和祈念像は、芸術家の山田真山さんが晩年、18年余りの歳月をかけて、恒久平和と戦没者追悼の思いを込め、原型を制作した。山田さんの下で祈念像の制作に携わった、漆芸家で浦添市美術館長の糸数政次さん(69)は「世界平和や能登半島地震の復興を願った」と語った。

 平和祈念公園などを修学旅行生らに案内している東陽バスのバスガイド幸地由美さん(25)は「戦争をどう伝えるのか、普段から試行錯誤している。仏像に直接触れて自分自身も浄め、不思議な気持ちになった」と振り返った。

 平和祈念堂で22日午後7時から8時半まで、沖縄全戦没者追悼式前夜祭が開かれる。 

(田中芳)