浦添市区では、選挙戦を通じて多様性の尊重を強く訴えた公明党新人の松下美智子さん(69)が当選を飾った。
公明から県内初の女性県議になる。浦添市議として19年間、人権や平和を守る活動を続けてきた。「どんな小さな声にも耳を傾けて、課題解決のために女性の代表として県政にみなさんの声を生かして、しっかりと働いていきたい」と活躍を誓った。
大阪府出身。結婚を機に42年前に浦添市に移り住んだ。地域からの後押しを受けて2005年の市議選に出馬し、浦添で公明初の女性市議になった。
以来、5期19年。応じた市民相談は4500件を超えた。軽度・中程度の難聴がある子どもへの補聴器購入費助成や、認可外保育施設への給食のケータリング事業など、市民の課題と向き合い解決に取り組んだ。
16日夜、家族と選対事務所に入り、支持者と当選確実の報を待った。一報が伝えられると、松下さんは「ほっとした」と笑顔を見せ、時折声をつまらせながら支持者に応援のお礼を伝えた。
市議時代はパートナーシップ制度導入を盛り込んだ「性の多様性を尊重する社会を実現するための条例」の必要性を訴え、21年に県内初の制定につながった。今回の選挙戦で「現在、県にはこの条例がない。ぜひ県議会に行かせていただき、県でもこの条例を作り、すべての人の人権を守る第一歩にしたい」と訴え続けた。新たな活動の場を前に「多様性を認め、いろいろな意見を尊重する社会を築いていけたら」と抱負を述べた。