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「触られ、屈辱」訴え悲痛 南城市長セクハラ疑惑 被害者「報復」を懸念


「触られ、屈辱」訴え悲痛 南城市長セクハラ疑惑 被害者「報復」を懸念
この記事を書いた人 Avatar photo 南 彰

 古謝景春南城市長のセクハラ疑惑を巡り、市議会特別委員会が実施した職員アンケートの詳細が21日、公表された。回答からは、上司に「放置」され、市長側からの「報復」におびえる悲痛な訴えがつづられている。古謝市長はこの日も職員からの訴えを否定したが、今後設置される第三者委員会では、「被害申告はない」と主張してきた南城市役所の体質も問われることになりそうだ。

 「相手が立場的に強いので、怖くて抵抗しにくい。仕事を続けられるか不安で悩んでいる」

 この回答をした職員は、トラウマに苦しみ「市長を見ると体調が悪くなる」と記している。

 昨年12月の疑惑発覚後に「体を触られた」と回答した職員もいた。「今回、この件が取りざたされた後も触ってきた。とても屈辱的な気分になった」と書かれている。

 「市長からセクハラを受けた」と回答した職員が恐れるのは、市長側からの「報復」だ。

 「家族のことなどを調べ上げられ、家族が生きづらくなるのではないかと頭をよぎる」

 この職員の回答には、市長支持の職員が「古謝市長が(セクハラを)するはずない、金目当てだ」と被害を訴えた女性に対する誹謗(ひぼう)中傷を職場内でしている状況がつづられていた。

 アンケートから浮かび上がるのは市長の言動を市幹部らが見て見ぬふりをしてきた疑いだ。「飲み会で市長の両隣は女性が座る暗黙のルールがあると聞いていた」と書いた職員は自身も上司から市長の隣に座るよう促され「机の下で手を握られたり、太ももをなでられたりした」と記している。

 「上司に相談したが、未だに放置されている状態だ」と答えた職員はアンケートの中で第三者による調査を求めた。「皆さんが思っている以上に女性職員が古謝市長からセクハラ被害を受けている。外部の人で聞き取りしてください」

 (南彰)