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【記者解説】第三者委、独立性の担保が鍵 南城市長セクハラ疑惑 発覚から半年余、遅さ際立つ


【記者解説】第三者委、独立性の担保が鍵 南城市長セクハラ疑惑 発覚から半年余、遅さ際立つ 自身のセクハラ疑惑を受け、市議会から第三者委員会の設置を要請された古謝景春南城市長(手前)=28日、南城市議会
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 南城市議会が28日、ハラスメント問題に関する第三者委員会の設置を市に要請した。古謝景春南城市長のセクハラ疑惑の発覚から半年あまり。岐阜、愛知両県で相次いだ首長のセクハラ疑惑では、数日から1カ月で第三者委が設置されたことと比べると、南城市の遅さは際立っている。

 問題解決が長引き、職員の抑圧は深刻だ。

 疑惑を否定する古謝市長側が、被害を訴えた女性の業務委託契約を解除したり、個人情報を暴露したりして、女性に対する誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)が激しくなっているからだ。職員の間では「辞める覚悟がないと声を上げられない」という状況が続いている。

 職員アンケートの結果が公表された先週、3市議が被害を訴えている職員と面会した。市議によると、「精神的な支配が長く続き、固まっている様子」で、まずは心のケアが必要と感じたという。それでも、職員は「信用できる第三者委員会ができれば、全部話します」と第三者委に望みをつないでいたという。

 市議会の要請には、「第三者委委員の人選に市が関与しない」ことが盛り込まれた。

 職員アンケートの回答からは、市長の言動を市幹部らが見て見ぬふりをしてきた疑いも浮かび上がっている。第三者委の独立性の担保が、市民が信頼し、職員が安心して働ける南城市役所を取り戻す第一歩となる。 (南彰)