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非正規への対応あいまい 実効性、機能に疑問視も


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 古謝景春南城市長のセクハラ疑惑を受けて、南城市議会が「外部相談窓口」の設置を柱とするハラスメント防止条例の制定に踏み出した。ただ、一連の疑惑の発端となった業務委託契約や派遣で働く人が被害に遭った場合の対応はあいまいで、弱い立場で働く人からは不安の声が出ている。
 22日の市議会特別委員会。委員から「この条例は、どういう雇用形態であっても、誰一人取り残されないのか」と問われた安谷屋正委員長は「派遣労働者なども含めて、ハラスメント禁止をうたっている」と理解を求めた。
 しかし、その後の特別委で、業務委託契約や派遣で働く人が被害にあった場合の外部相談窓口の利用や第三者委の設置については、「条例では縛れない」という考え方が確認された。
 条例ができても、働く人が実際に制度を使えるかは、市と委託先の契約内容次第となる。特別委側は実効性を持たせる内規を作るよう市に要請する方針だが、「市や企業が受けてくれるか分からないので、お願いベース」(特別委幹部)という。
 南城市では現在、約670人の職員のうち、約4分の1が委託で働いている。不安定な雇用形態の中、ハラスメントの被害を訴えている人も少なくない。委託で働く一人は「これまでも相談窓口は機能しておらず、変わらないのではないか」と話す。 (南彰)