自転車かごから書類持ち去りの人物、不起訴に　那覇地検の「とん刑者」ファイル一時紛失で　沖縄

　那覇地検の男性検事が6月、実刑判決の確定後に出頭せずに所在不明となった「遁刑（とんけい）者」の個人情報などが記載された書類を一時紛失した件で、那覇地検は2日、書類を一時持ち去った人物を不起訴処分（起訴猶予）とした。地検はこの人物を占有離脱物横領の容疑で捜査していた。小玉大輔次席検事が同日の会見で明らかにした。

　地検は同日付で男性検事を国家公務員法に基づく戒告の懲戒処分とし、内藤惣一郎前検事正、小玉次席検事を法務省訓令の「注意」とする処分も発表した。

　地検によると、不起訴処分となった人物は、男性検事が6月18日、在宅当番のために自宅に持ち帰った地検職員93人の緊急連絡先と、遁刑者ら91人の一覧表が含まれる書類を自転車の前かごから抜き取った。翌19日に地検が回収するまで書類を所持していた。

　地検は同日中にこの人物を特定し、在宅で捜査を進めていた。この人物からの情報漏洩（ろうえい）は確認されていないという。