パリ五輪の男子個人ロードレースがあった3日、新城幸也選手(39)のレースを妻の美和さん(45)は発着点のパリ・トロカデロ広場などで見届けた。落車やリタイアが珍しくないこの競技で「無事に帰ってきてよかった」と安堵(あんど)した。
新城選手と美和さんが生活の拠点にしているのは、スペインやフランスに挟まれたアンドラ公国。同国にある自宅に日本のスタッフも招き、五輪に備えた。
本番前に珍しくナーバスになっている様子が見えるなど、五輪に懸ける新城選手の思いをそばで見てきた。練習後の楽しみになってほしいと食事面で支え、「最後に家から送り出した時点で私のオリンピックは終わったと思った」とできることをやってきた。
ゴール後、戻ってくる新城選手を見て涙があふれた美和さん。新城選手も「優勝しても泣かないのに。パリでの五輪への思いが相当強かった」と妻をおもんぱかった。「1日でも長くトップ選手でいられることが私たちの目標です」と伴走を続けていく。
(古川峻)