prime

39歳の新城、4度目の五輪は56位 「この順位が僕の力」最後の代表、出し切る 自転車ロード男子 


39歳の新城、4度目の五輪は56位 「この順位が僕の力」最後の代表、出し切る 自転車ロード男子  ゴールのトロカデロへ駆け抜ける新城幸也(右端)=3日、パリ(古川峻撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 古川 峻

 3日の男子個人ロードレース(273・0キロ)は、エベネプール(ベルギー)が6時間19分34秒で初優勝し、史上初めて個人ロードタイムトライアルとの2冠を達成した。五輪4大会連続の出場となった新城幸也(バーレーン・ビクトリアス)は56位だった。

最後の代表、全力踏み切る

 エッフェル塔の下からゴールへ向かう最後の230メートルの直進に、五輪4大会連続の出場を果たした新城幸也(八重山高出、バーレーンビクトリアス)が曲線を描いて入ってきた。「今回は年齢よりも、日の丸を背負って走るのが最後という意識があった」。出場選手最年長の39歳が背中に日の丸が描かれたジャージーを着て駆け抜けた。

 これまでの五輪は他の日本人選手とアシスト役を分担してレースをつくったが、今回の代表は1人のみ。厳しいレースになると予想していた。

スタート位置に向かう新城幸也=3日、パリ

 終盤まで大きな第2集団の後方に付いた。ルーブル美術館を通過して残り48キロ、勾配6・5%の陵丘で各選手のアタックが始まった。「ここでペースが上がるのは分かってたけど、ついて行くことができなかった」。前方と引き離されたが、「集団から遅れても全力を出すと決めていた。足が痛くて回らなくても(ペダルを)踏んで終わった」。

 順位はこれまでの五輪では最下位の56位だった。「アスリートとしてもっと前に残りたかったけど、今の順位が僕の力。このためにしっかりと準備してきたし、1日を楽しめた」と受け入れた。

 金メダリストが24歳と若年化する競技にあって、練習を苦にせずいつまでも続けたい気持ちがあるという。「レベルアップするサイクリングに年齢を重ねながらも対応している。楽しんでできている証拠かな」と笑顔で語る。

 次の目標を問われると考え込み「うーん、今年の目標は達成したしな。また探します」。世界中の道を走りながら新たな目標へ進んでいく。

(古川峻)