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沖国大ヘリ墜落20年 変わらぬ現状 未来に危機感 学生ら初の平和宣言


沖国大ヘリ墜落20年 変わらぬ現状 未来に危機感 学生ら初の平和宣言 米軍ヘリ墜落事故時に焼け残ったアカギの前で意見発表をする学生の儀保裕一朗さん=13日午後2時すぎ、宜野湾市の沖縄国際大学(喜瀨守昭撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 沖縄国際大(安里肇学長)は13日、米軍普天間飛行場所属の大型輸送ヘリコプターCH53Dが構内に墜落した事故から20年を迎え「普天間基地の閉鎖を求め、平和の尊さを語りつぐ集い」を墜落現場モニュメント前の「ポケットパーク」などで開催した。事故から20年となり、記憶を継承しようと特別企画を実施し、「平和宣言」を初めて発表した。

 特別企画では、取材記者や事故をモチーフとした作品を発表した作家の講演会や、学生らも交えた朗読劇も催された。最後に、安里学長や職員、学生の代表らによって「『真の自由と、自治の確立』の建学の精神のもと、平和に寄与する人材の育成を進める」などとする平和宣言が読み上げられた。

 宣言を受け、毎年8月13日を学内で「平和の日」として位置づける取り組みも検討している。

 安里学長はヘリ墜落事故について「学生、教職員、市民、県民を恐怖に陥れてから、今日で20年の節目となった。何も変わらない現状と今後の展望が見通せない未来に大きな危機感を覚える」などとする声明を発表した。

 その上で沖国大は普天間飛行場を使用する航空機の即時飛行中止と同基地の一日も早い閉鎖・撤去を要求した。要求書は首相や防衛相、駐日米国大使、普天飛行場司令官らに送付する。

 学生代表として経済学部3年の儀保裕一朗さんと同部4年の謝花美生さんが意見発表し、それぞれ本土側が過重な基地負担を強いられる沖縄の現実に向き合うことを望んだ。

 (梅田正覚)