コストコに向かう車と帰路につく車で混み合う周辺道路＝26日午後5時半過ぎ、南城市玉城（画像の一部を加工）
普天間 伊織 米国系会員制スーパー「コストコ」の沖縄南城倉庫店（南城市）が24日に開業し、週末の2日間は大勢の来客でにぎわった。店舗にはオープン当日には千人以上が列をつくった。平日の26日にも食品や日用品などを買い求める客でにぎわった。店舗周辺では大規模な渋滞が発生し、市内を走るコミュニティーバスや路線バスの運行が大幅に遅れるなど、市民生活にも影響を与えた。
26日には市役所に市民からの苦情が複数届き、市は同日、コストコを訪問して店舗責任者に対応を申し入れた。
コストコの担当者は「進行を滞留させない誘導の仕組みづくりを検討する」と返答した。コストコが立地する市玉城周辺の県道137号、86号は片側一車線の道路が続き、交通量を分散させる迂回（うかい）路がほとんどなく、渋滞対策が急務となっている。
近隣のゴルフ場や宿泊施設でも予約のキャンセルや客の到着の遅れが生じた。市商工会の津波古孝弥会長は「渋滞による影響は開業前から覚悟はしていたが、今後も同じ状況が続くようなら何らかの対策を練る必要がある」と話した。
市内に住む40代のパート従業員の女性は「普段より1時間早く家を出たが、それでも遅れてしまった」と通勤時間への影響を訴えた。「しばらくは、なるべく外出を控える」と嘆息する。
市は26日、公式ホームページやSNSで「南城市内への訪問を予定されている方は、訪問日を見直していただくようご検討をお願いいたします」と呼びかけた。
開業に先駆け、今月9日にコストコ沖縄南城倉庫店周辺の交通情報発信サイトを開設したが、24日には一時不具合が発生し、正確な情報が表示されない状況になった。市企画調整課の担当者によると現在は復旧している。不具合の原因は調査中だ。
コストコの営業時間は午前10時から午後8時だが、早朝や深夜に訪れる客も見られ、騒音や通勤・通学への影響も問題視されている。市担当者は「事前に対策はしていたが予想を大幅に超える状況だ」と話す。市としての追加の対応策に関しては「現在のところ未定」と説明した。
（普天間伊織）
