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「誰がなっても同じ」自民新総裁に期待膨らまず 物価対策、基地問題の解決求める 沖縄


「誰がなっても同じ」自民新総裁に期待膨らまず 物価対策、基地問題の解決求める 沖縄
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

自民党の総裁選が27日行われ、石破茂元幹事長が新総裁に選ばれた。県民からは、子育て支援や外交問題、裏金問題などさまざまな課題に対して改善を求める声が上がった。一方、沖縄の基地問題解決に向けての期待は高まらず諦め感も漂う。 

 飲食店で働きながら3人の子どもを育てる上里美香さん(42)=与那原町=は「子育て支援を充実させてほしい」と訴える。「物がどんどん値上がりして家計はかなり苦しい。3人目(の子ども)をつくるのにもためらいがあった。同じように感じる子育て世代は多いと思う」と物価高騰対策や少子化対策への不満を漏らした。

 石破氏は幹事長時代の2013年に、県選出・出身の自民党国会議員らに米軍普天間飛行場の辺野古移設を容認させた。大城重吉さん(72)=南風原町=は「屈辱を味わわせた人だ。これまでの政策を見ると辺野古の新基地建設に強硬策を取るのでは。誰がなっても同じ。沖縄の政策への希望は全くない」とため息をついた。

 自衛隊増強が進む八重山。石垣市の渡久山修さん(67)は石破氏について軍事的イメージが強いとして「沖縄にとってはあだとなる人だ。何も期待できない」と批判した。「日米共同訓練が高度化するのではないか。沖縄がますます要塞(ようさい)化する」と懸念を示した。

 北谷町で農業をしている長濱一男さん(73)は石破氏について「党内人気がないと聞いてたので意外」と驚いた。総裁選で日米地位協定の改定に触れたことを挙げ、「今のままでは米国の属国だ。ぜひやってほしい」と要望した。一方「アジア版NATO」の創設に言及したことに対し「軍事同盟ではなく、ASEANのようにもっと平和的に外交努力で平和を構築してほしい」と話した。

 有銘宏司さん(69)=那覇市=は「期待は半分くらい。沖縄の基地問題は早く解決してほしい。戦争に向かいそうな状況が怖い。国際情勢を外交で進めてほしい」と求めた。

 裏金問題に対応する姿勢を見せる石破氏について、那覇市の会社員の男性(33)は「自民党は不正がたくさんあって信用できないが、石破さんは無派閥なので、政治と金の問題解決に期待感は持ってはいる」と話した。
 (普天間伊織、梅田正覚、武井悠、照屋大哲、中村優希)