県内の警察に届け出があった認知症やその疑いのある行方不明者が昨年は118人で、2012年の統計開始以来最多だったことを受け、9日の県議会一般質問で2議員が対策をただした。
県警の鎌谷陽之本部長は、認知症やその疑いがある行方不明者の届け出件数について「コロナ禍の時期を除き、増加傾向にある」と説明した。高齢化の進行が背景とみられる。今年の届け出は8月末までで74人。今年見つかった人も74人で、うち4人は亡くなっていたという。
玉城健一郎氏(てぃーだ平和ネット)は、自身の祖父が住んでいた市域を越えて出掛け、保護された経験を踏まえ、広域での見守り体制が必要と指摘。道迷いの人が持つ専用タグを自販機が感知する捜索システム「ミマモライド」の広域運用を提言した。糸数公保健医療介護部長は「市町村などと意見交換をする」と述べた。
西銘純恵氏(共産)は認知症や軽度認知障害の実態について質問した。糸数部長は「早期発見、早期対応が重要」と答弁。認知症疾患医療センターに指定した病院と県が連携し、支援体制を構築するとした。同センターでは認知症に関する鑑別診断や治療の無料相談に応じている。
(宮沢之祐、大嶺雅俊)