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「世界の紛争を自分事に」軍事力強化「賛成」の学生増加に驚きも 那覇で国際平和シンポ 沖縄


「世界の紛争を自分事に」軍事力強化「賛成」の学生増加に驚きも 那覇で国際平和シンポ 沖縄 日本国際ボランティアセンターの木村万里子さん=20日、那覇市の県立博物館・美術館
この記事を書いた人 Avatar photo 中村 優希

 2024年度国際平和シンポジウム(沖縄平和賞委員会主催)が20日、那覇市おもろまちの県立博物館・美術館で開かれた。過去の沖縄平和賞受賞団体の代表者などが登壇し、平和のあり方などについて語り合った。

 基調講演した日本国際ボランティアセンター(第9回受賞)の木村万里子さんは、パレスチナ自治区ガザで支援活動した経験を話した。イスラム組織ハマスがイスラエルへの攻撃を開始した2023年10月7日以降、ガザの死者は4万2千人を超えた。その7割が女性と子どもで、木村さんが現地で一緒に働いていた団体のスタッフも犠牲となった。ガザの人は停戦を求めているが今も攻撃は続いている。

 世界中で報道されているにもかかわらず変わらない状況に、現地の市民は「見捨てられている」と感じているといい、国際社会に対して「自分たちのことを忘れないで立ち上がってほしい」と求めているという。木村さんは「世界で行われている紛争は自分と関係ないことではなく、自分事として捉えてほしい。そういうポテンシャルが沖縄の人は高いと思う」と話した。

 ひめゆり平和祈念資料館(第11回受賞)の普天間朝佳館長は、大学生が沖縄問題について議論するテレビ番組で、日本の軍事力強化に賛成する意見が多かったことに驚いたという。

 避難訓練や自衛隊配備など沖縄が戦場になることを想定した動きが活発化し、戦争を止めるために軍事力を強化すべきだという声が強まっていることを指摘し「大事なのは市民の視点だ。(沖縄戦で)沖縄は守られたのか。武力ではない方法で平和を構築しなければならない」と問いかけた。 

(中村優希)