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沖縄生まれのロバーツ監督「ウチナーンチュの誇り」 ドジャースWS制覇に関係者ら歓喜


沖縄生まれのロバーツ監督「ウチナーンチュの誇り」 ドジャースWS制覇に関係者ら歓喜 野球教室で沖縄の子どもたちを指導するデーブ・ロバーツさん=2003年12月13日、沖縄市
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 世界ウチナーンチュの日の10月30日(日本時間31日)、世界最高峰の米大リーグのワールドシリーズを、沖縄生まれの県系2世デーブ・ロバーツ監督率いるドジャースが制した。県内でロバーツ監督と親交がある関係者は世界のウチナーンチュの活躍に喜び、沖縄での再会に期待を寄せる。史上初の「50本塁打、50盗塁」を達成した大谷翔平選手が日本ハム時代に交流があった関係者からも喜びの声が相次いだ。 

 ドジャースのデーブ・ロバーツ監督(52)は1972年5月、宮古島出身の母・栄子・ロバーツさん(旧姓・池原)と在沖陸軍の軍人だった父フェイモンさんとの間に那覇市で生まれた。生後すぐに両親とともにフェイモンさんの故郷、カリフォルニア州に移り、5歳から野球を始めた。

 ドジャースの選手だった2003年、約20年ぶりに沖縄に里帰りし、小中学生を対象にした野球教室に参加したほか、旧琉球新報ホールで行われた歓迎会にも出席した。

 来沖に尽力したのが那覇市牧志で飲食店を経営する伊佐武雄さん(77)=那覇市=だ。伊佐さんは03年以来、毎年渡米しロバーツさんと交流しており、今年6月にドジャー・スタジアムでロバーツさんと対面したばかり。Wシリーズ制覇に「デーブはウチナーンチュの誇りで、県民に夢を与えてくれた。電話でありがとうを伝える」と笑顔で語った。「デーブに県民栄誉賞が贈られるよう頑張りたい」と決意を示した。

 県野球連盟の又吉民人会長は新報ホールで行われた歓迎会に出席した一人。「(ロバーツ監督は)沖縄への愛を語っていた」と懐かしそうに振り返る。「『糸満に住んでいるおばあちゃん、おじいちゃんに会いに来た』と話していた。沖縄への思いがあり、今もウチナーンチュとして親しみを持っている」と笑う。又吉会長は「いつか沖縄に来て子どもたち、ファンに野球の話をしてほしいね」と語った。

 2013年に日本ハム時代の大谷翔平選手と交流した、在沖縄岩手県人会美らめんこい会の元会長の加賀哲彦さん(70)=南城市=は、優勝が決まった瞬間は与那原東小で授業中だった。ドジャースの勝利が分かると、児童らは「やったー」と大はしゃぎ。「とてもうれしいニュースだ。野球をやっている子どもたちから毎日大谷くんの話が出るほど存在が大きい。日本の誇りだ」と勝利をたたえた。

(吉田健一、屋嘉部長将、中村優希)