有料

石垣市長「防災公園に地下シェルター」 市役所隣接地での検討を明らかに 1000~2000人収容の避難施設


石垣市長「防災公園に地下シェルター」 市役所隣接地での検討を明らかに 1000~2000人収容の避難施設 中山義隆石垣市長(資料写真)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【石垣】中山義隆石垣市長は15日の市議会定例会一般質問で、同市役所隣接地に建設予定の防災公園に地下駐車場を造成し、シェルターとして活用することを検討していると明らかにした。中山市長は千~2千人を収容できる規模のシェルターを早急に作る必要があるとして、国や県に要望していると説明した。内原英聡氏への答弁。

 防災公園予定地はかつて石垣空港があった場所で、現在、一部は市職員の駐車場として使用されている。市の旧空港跡地利用計画によると防災公園は約3ヘクタール。

 ゾーニング図(案)では「災害時の支援組織の活動拠点」で、「地域防災拠点レベルの機能を有する公園」と定めており、「災害時の円滑な連絡等を考慮し、市役所新庁舎に隣接」と記されている。市のスケジュールでは2026年度から公園の工事が始まる見通し。

 中山市長は「既に庁内の議論に上がっている」として、有事が発生した際、住民を島外避難させた後、島に残る市職員や消防隊員らが入れるようなシェルターが必要だとの考えを示した。

 石垣市役所隣接地に計画されている防災公園(薄い緑色部分)。市は公園に地下駐車場を作り、シェルターとしての活用を検討している(旧空港跡地利用のゾーニング図より)

 政府は昨年末に閣議決定した「国家安全保障戦略」に基づく「国民保護・総合的な防衛体制の強化」に向け、省庁横断で公共インフラ整備を進める方針を示している。

 このうちシェルター整備については、内閣官房が2024年度概算要求で、石垣を含む与那国、宮古の各島などでの設置に向けた調査費用として1億2千万円を求めた。

 政府関係者によると、24年度は、技術的な仕様指針であるガイドラインの策定などにとどまる見込みで「設計・工事など本格的な経費計上はさらに先になる」(官邸幹部)としている。

 国家安全保障戦略は、台湾有事を想定して策定されていることから、台湾に近い与那国、石垣を含め先島諸島は比較的事業着手の優先度が高いとみられる。一方、「要請があった自治体から検討を進めていく方針」(同)でもあり、この方針は、有事の際の「軍民両用」を見越した港湾や空港などの公共インフラの整備についても同様だとされる。
 (照屋大哲、安里洋輔)