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「平和協力が唯一の選択肢」中国大使が玉城知事と会談 県側、ミサイルなどに抗議も


「平和協力が唯一の選択肢」中国大使が玉城知事と会談 県側、ミサイルなどに抗議も 国の呉江浩駐日大使(左)と面談する玉城デニー知事=6日、沖縄県庁
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 中国の呉江浩駐日大使は6日、県庁で玉城デニー知事と会談した。呉氏は今年、日中平和友好条約締結から45周年を迎えたことに触れ「複雑な事情があるが、平和的に協力していくことがわれわれにとって唯一の正しい選択肢だ」と強調した。

 両国の関係発展に向け「沖縄ならではの特別な役割を果たしてほしい」と期待を込めた。県側からは、中国による台湾周辺での弾道ミサイル発射、尖閣諸島周辺での中国公船の領海侵入について抗議した。

 玉城知事は7月に日本国際貿易促進協会(国貿促)の一員として訪中した後、中国政府が渡航ビザの緩和や日本行き団体旅行の解禁、沖縄と中国の直行便が再開されたことに謝意を示した。

 また、県が本年度から始めた地域外交の取り組みに触れ「国同士の良い関係をサポートしていきたい」と抱負を語った。
 これに対し呉氏は「ぜひ現代の万国津梁(しんりょう)を担ってほしい」と語った。

 呉氏は5日には赤嶺昇県議会議長とも面談した。
 赤嶺議長は呉氏に対し、中国による台湾周辺での弾道ミサイル発射と、尖閣諸島周辺での中国公船の領海侵入などに抗議する県議会の意見書をもとに要望書を手渡した。中国が公表した新地図で尖閣諸島が中国名の釣魚島と表記されていることなどについても口頭で懸念を伝えた。

 玉城知事も6日の面談の最後に議長要望に触れ、理解を求めた。呉氏は「意見の食い違いはもいろいろあるが、それをしっかり管理して、平和友好協力に大いに力を入れていこう」と応じた。(知念征尚、佐野真慈)