有料

防衛相、米軍無人機の嘉手納配備は「効率的」と説明 沖縄の負担軽減より軍事優先


防衛相、米軍無人機の嘉手納配備は「効率的」と説明 沖縄の負担軽減より軍事優先 閣議後会見で質問に答える木原稔防衛相=10日、東京都の防衛省
この記事を書いた人 Avatar photo 明 真南斗

 【東京】米軍嘉手納基地への米軍無人偵察機MQ9配備を巡り、木原稔防衛相は10日の閣議後会見で配備の目的を問われ「より効率的なISR(情報収集・警戒監視・偵察)活動が可能となる」と説明した。


 米軍は過去1年間、鹿児島県の海上自衛隊鹿屋航空基地でMQ9を運用してきており、嘉手納以外でも運用は可能だ。沖縄の基地負担軽減より軍事的な効率性を優先する姿勢が改めて示された。


 嘉手納基地周辺住民の負担が増す分、別の負担軽減策を検討する考えについても問われたが否定した。「検討の結果、MQ9の騒音による影響は限定的と判断した。駐機場所は住宅地から相当離れた所に計画するなど、地元への影響を最小限にするために取り組む」と述べるにとどめた。
 住民説明会についても開催せず「関係自治体に対して丁寧な説明と適切な情報を提供していく」と話した。


 嘉手納配備については直前の約1カ月前に地元へ通告したのに対し、鹿屋展開については約10カ月前に打診していたことについて「米軍が鹿屋基地への展開の可能性を視野に、必要な現地調査などを含めて事前にさまざまな準備調整が必要だった」と強調した。


 ISR活動の効率化については①日本の南西地域周辺の海域・空域へのアクセスを容易にし、活動時間を増やすことができる②より近傍で活動することで特異な動向を見逃さない体制を取ることができる-などと説明した。


 鹿屋に一時展開している1年間に「MQ9の運用が日米のISR活動で非常に有益だと確認された」と述べた。
 嘉手納での運用開始に向けて米軍が10月から資機材の移動や機体の移動などの準備作業を始めると説明した。


 鹿屋への一時展開中に滑走路を逸脱するオーバーランの事故を起こしたが、原因を公表していないことについて見解を問われ「原因に関する詳細は保全に関わるもので、米軍で非公表事項とされている。一方で、米側からは可能な範囲で最大限の情報提供を受けた」と追認した。
(明真南斗)