米軍嘉手納基地配備に向けた移駐が進む無人偵察機MQ9の攻撃機能を巡り、米空軍第18航空団は20日までに本紙の取材に対し、緊急事態における武器搭載の可能性を否定しなかった。主任務は航空偵察活動だと強調した上で「弾薬搭載可能」などと攻撃機能の保有を認めた。
MQ9は2022年11月から1年間の期限付きで海上自衛隊鹿屋航空基地に8機が展開していた。それに先立つ住民説明で、防衛省は資料に「情報収集用の仕様で、武器は搭載できず、攻撃用に使用できない」と明記していた。だが、米空軍は本紙に「弾薬搭載可能」と説明した。日米が異なる説明をした。
防衛省が攻撃機能を否定していることについて、本紙が米軍に事実関係を問い直したが、同様に「弾薬搭載可能」との答えだった。その上でMQ9の能力については空軍の公式サイトを見るように提示した。
米空軍のサイトによると、対戦車・対人攻撃に使われるレーザー誘導ミサイル「ヘルファイア」を最大8発搭載できると例示。レーザー誘導兵器を使うため、標的までの距離を測る装置や照準装置も備えている。
米空軍は本紙への回答で、鹿屋での一時展開について「非常に価値のある『情報収集・警戒監視・偵察(ISR)活動』を実施した」と評価し「日米の政策決定者は、日本の南西地域でのISR活動をさらに強化するために嘉手納基地への移駐を決めた」と説明した。
日米両政府は鹿屋に展開していた8機の嘉手納基地移駐を進めており、13日から機体の飛来も始まっている。
(明真南斗)