県内28市町村に水を供給する県企業局は7日、受水市町村を対象に説明会を開き、市町村への1立方メートル当たりの水道供給単価を2024年10月から23円、26年4月からはさらに10円46銭の値上げを予定していると明らかにした。段階的に料金が改定され、最終的には33円46銭引き上げられる。また、4年間の料金算定期間(24~27年度)以降はおおむね4年ごとに適正な料金水準について検討・改定を行う予定だ。
水道の供給単価は1993年から現在まで、102円24銭(税抜き)。この間、消費増税に伴う増税分の値上げはあったが、供給単価の税抜き価格の変動はなかった。改定されれば93年以来、約30年ぶりとなる。
企業局の担当者は、老朽化した施設の更新や電気料金の値上げを受け、現状のままでは安定給水に支障を来す可能性があると説明。24年度には収支が大幅赤字になり、25年度には内部留保も尽きる見通しだとし、各受水市町村へ料金改定と改定実施時期への理解を求めた。今後は、県三役の了承を得た上で、県議会11月定例会に料金改定条例を提出する。議会で条例が可決されると、市町村への「卸値」に当たる水道供給単価が上がる。その後、住民が支払う料金が引き上げられるかについて各市町村の判断に委ねられることになる。
参加した市町村の担当者らからは、住民への説明など準備期間が必要という理由から「料金改定の実施時期を25年4月以降に延期できないか」という声が複数上がった。企業局の石新実企業技監は「24年度中に料金改定を行わなければ25年度中に(経営状況が)明らかに危機的な状況に陥る」と説明し「企業局も内部留保資金を減らしながら耐えている。24年の半ばが譲歩できる限界だ」と述べた。
(與那原采恵)