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東シナ海取り巻く「地方政府の連合組織」を 「地域外交」で骨子案 万国津梁会議 沖縄


東シナ海取り巻く「地方政府の連合組織」を 「地域外交」で骨子案 万国津梁会議 沖縄 地域外交に関する万国津梁会議の3回目会合で議論する委員ら=24日、那覇市IT創造館
この記事を書いた人 Avatar photo 知念 征尚

 沖縄県が取り組む地域外交について有識者が話し合う「地域外交に関する万国津梁会議」の3回目会合が24日、那覇市で開かれた。これまでの会議で委員から出た意見を踏まえ、会議として県に提出する提言の骨子案が提示され、東シナ海を取り巻く国の自治体でつくる、国際的な地方政府の連合組織を立ち上げ、共同で「平和ビジョン」などの声明を出すことや各国首脳級会合の沖縄開催といった主要プロジェクトが盛り込まれた。

 提言は12月21日に開く次回会合で正式に決定し、来年1月に県に提出する。

 主要プロジェクトはこのほか、米軍基地を抱える地方政府間のネットワーク形成、友好都市の首長を集めた会合の開催などを盛り込んだ。

 提言骨子案は、琉球王国時代や沖縄戦、日本復帰といった沖縄の歴史を説明。地域外交で目指す姿として国際連携の強化により「平和創造の拠点となる」と明記。途上国の課題解決に民間や研究者らと共に取り組む必要性も指摘した。

 骨子案に対し、成蹊大アジア太平洋センター主任研究員の小松寛氏は、一般の行政職員だけでは国際情勢を分析して政策に落とし込むのは難しいとして、地域外交の実効性を高めるため、分析を担うシンクタンクの設置を提案した。

 日本ASEANセンター事務総長補佐の久保田有香氏は、パートナーとなる地域とともに発展していく「共創」の考え方を盛り込むよう求めた。

 また、県が策定主体となる地域外交基本方針(仮称)のうち、県庁内の推進体制などに関する骨子案も提示された。地域外交の成果を図る指標案として、沖縄が平和ネットワークを持つ海外自治体・団体数、首脳会談などの2国間・多国間会議の開催数など四つの分野で計12の項目が示された。

 (知念征尚)