松川宜野湾市長は「ほっとしている」 国との関係に懸念も表明


松川宜野湾市長は「ほっとしている」 国との関係に懸念も表明 米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡り、国が代執行に踏み切ったことについて報道各社の取材に応じる宜野湾市の松川正則市長=28日、宜野湾市役所
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 【宜野湾】普天間飛行場のある沖縄県宜野湾市の松川正則市長は28日、名護市辺野古の新基地建設を巡り、国が沖縄防衛局による地盤改良工事の申請を県に代わって承認する代執行に踏み切ったことを受けて、同市役所で取材に応じた。県が承認せず国の代執行にまで及んだことに対し「非常に残念だ」と述べた。

 国が全国で初めて代執行したことについて「最高裁の結果が出た段階で、知事には法律にのっとって判断してほしかった。溝が亀裂になってしまった。これから行政を進めていく市町村も首長もそうだが、一括交付金や予算の面も含め、さまざまな事業を進めている。今後について懸念している」と述べた。

 移設完了までの期間は12年程度と見込まれていることについては「返還合意から27年が過ぎている。めどがたっていなかった。これまでの長い歴史を考えるとほっとしている」とした上で、工事が再開された後に、移設を中核とする返還条件8項目の完了や工期短縮などを政府に要請したい考えを示した。

 国と県のすれ違いから2019年4月以来、本会議が開かれていない「普天間飛行場負担軽減推進会議」については「亀裂ができてしまった関係からすると、当分は本会議は開催できないと理解している。作業部会はこれまでも開催できているので、改めて開催を求めたい」とした。(名嘉一心)