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大野・谷川氏立件へ 裏金問題 会計責任者は在宅起訴


大野・谷川氏立件へ 裏金問題 会計責任者は在宅起訴 大野泰正氏
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 自民党安倍派(清和政策研究会)の政治資金パーティーを巡る事件で、東京地検特捜部が政治資金規正法違反の罪でパーティー券の販売ノルマ超過分について高額の還流を受け、裏金にした大野泰正参院議員(岐阜選挙区)と谷川弥一衆院議員(長崎3区)を立件する方針を固めたことが17日、関係者への取材で分かった。19日にも刑事処分する。
 また超過分を議員側に還流した際、支出として政治資金収支報告書に記載しなかったなどとして、同法違反の罪で派閥の会計責任者を在宅起訴する方針。実力者「5人組」や事務総長経験者ら幹部議員の計7人については、派閥の収支報告書の不記載に関し、会計責任者との共謀は認められないとして立件を見送る。
 二階派(志帥会)でも、ノルマ超過分の収入が収支報告書に記載されておらず、特捜部は同法違反の罪で会計責任者を在宅起訴する方針。
 関係者によると、大野議員は関連政治団体への還流分の不記載について関与を否定しており、特捜部は在宅起訴を検討。関与を認めている谷川氏は略式起訴するとみられる。谷川氏は立件された場合、議員辞職する意向を示している。
 特捜部は安倍派を重点的に捜査。5人組の松野博一前官房長官、西村康稔前経済産業相、高木毅前国対委員長、世耕弘成前参院幹事長、萩生田光一前政調会長の他、派内の実務を取り仕切る事務総長経験者の下村博文元文部科学相、安倍派座長の塩谷立元文科相らを任意で事情聴取してきた。事務総長は松野氏、西村氏も務め、現在は高木氏が担っている。
 安倍派では2022年、還流の取りやめがいったん決まったが、後に撤回された。

 清和政策研究会 福田赳夫元首相が1979年に創設した自民党の派閥。結成時は「清和会」だったが、98年に「清和政策研究会」に改称された。安倍晋三氏が会長に就任した2021年11月以降は「安倍派」とも呼ばれるようになった。安倍氏が22年7月に死去したため、会長は空席となり、現在は塩谷立元文部科学相が座長を務める。政治資金パーティーを巡る裏金事件を受け、派内の実力者「5人組」と呼ばれる松野博一氏や西村康稔氏らが閣僚や党幹部を辞任した。