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岸田派3千万円不記載 きょう安倍・二階派 在宅起訴 自民派閥 裏金事件 大野・谷川議員、刑事訴追


岸田派3千万円不記載 きょう安倍・二階派 在宅起訴 自民派閥 裏金事件 大野・谷川議員、刑事訴追 自民党派閥の政治資金パーティー事件の構図
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 自民党派閥の裏金事件で、岸田派(宏池会)の2018~20年の政治資金収支報告書に約3千万円を記載しなかったとして、東京地検特捜部が政治資金規正法違反(虚偽記入)の罪で元会計責任者を略式起訴することが18日、関係者への取材で分かった。特捜部は19日、安倍派(清和政策研究会)の会計責任者と二階派(志帥会)の元会計責任者を在宅起訴し、多額の還流を受けた安倍派の大野泰正参院議員(岐阜選挙区)や谷川弥一衆院議員(長崎3区)らも一斉に刑事処分する。 (1面に関連)
 関係者によると、岸田派の元会計責任者は特捜部の任意の事情聴取に、販売した議員が不明な政治資金パーティー収入を除外したと認めている。
 また二階派会長の二階俊博元幹事長の事務所が、パーティー券の販売ノルマ超過分を派閥に納めずプールし、収支報告書に記載しなかったとして、特捜部が同法違反の罪で秘書を立件することも判明した。不記載分は約3千万円という。
 安倍、二階両派とも、販売ノルマ超過分を収支報告書の収入に記載せず議員側に還流。安倍派では支出にも記載せず、受領した議員側も収入として書いていなかった。
 大野議員側は18年以降の5年間で派閥から還流した5千万円超を裏金にしたとされる。大野議員は関与を否定しており、特捜部は在宅起訴する方針。谷川議員側は4千万円超を裏金にしたとされ、谷川議員は略式起訴になる見通し。安倍派の実力者「5人組」を含む幹部7人は立件を見送る。
 安倍派から約4800万円の還流を受け、裏金にしたとされる衆院議員池田佳隆容疑者=7日に同法違反容疑で逮捕、自民除名=の勾留期限は26日。処分は来週になるとみられる。
 岸田派は18日、20~22年分の収支報告書を訂正した。20年分では同年10月に開催した政治資金パーティー収入を896万円少なく記載し、21年、22年分にそれぞれ繰越額が増えた。二階派も18日、20~22年分の収支報告書の訂正を届け出た。