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トランプ陣営と接触 岸田政権、大統領選見据え


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 岸田政権が11月の米大統領選を見据え、トランプ前大統領陣営と水面下で接触を始めた。共和党候補を決める指名争いで優位に立つトランプ氏が、復権を果たす可能性もあるとみているためだ。ただ、岸田文雄首相は再選を目指すバイデン大統領から国賓待遇による訪米の招待を受けており、バイデン政権への刺激を避けつつ両にらみで対応する構えだ。
 大統領選が本格化する中、トランプ氏側に近づいたのは政権中枢の自民党の麻生太郎副総裁だ。麻生氏は今月9~13日に訪米。ワシントンで9日に米政府高官と会談した後、ニューヨークに移動してトランプ氏との接触機会を探った。
 結果的にトランプ氏との面会は実現しなかったが、トランプ政権時代に駐日大使を務めたハガティ上院議員と会い、今後も意思疎通を続けることを申し合わせた。
 麻生氏は安倍晋三元首相とトランプ氏の首脳会談にたびたび同席し、ペンス前副大統領と経済対話を取り仕切った経緯がある。トランプ氏側と親密な関係を構築できれば、日米関係の安定化につながると判断しており「会おうとした意思はトランプ氏に伝わった。そこに意味がある」と周囲に手応えを語った。