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被害、最大2.6兆円 能登地震 住宅耐震化進まず 輪島市でも震度7観測


被害、最大2.6兆円 能登地震 住宅耐震化進まず 輪島市でも震度7観測 4県の被害状況(日午後4時現在)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 政府は25日、能登半島地震で損壊した住宅や工場、道路などの被害額が石川、富山、新潟の3県で1兆1千億~2兆6千億円程度に上るとの推計を発表した。住宅の耐震化が進んでいないこともあり被害が広がったと判断した。ただ被災の実態をまだ精査できる状況にないため、あくまで市町村ごとの震度などに基づき機械的に算出した暫定的な試算で、今後変動する可能性もある。 (6、17面に関連)
 政府の月例経済報告の関係閣僚会議で内閣府が示した。能登半島地震の非常災害対策本部会議も開いて、被災者支援の政策パッケージを決定した。家屋の損害額が一定規模以上などの世帯に10万円を支給。新潟、富山、石川、福井の4県を対象とした観光復興支援「北陸応援割」を実施する。
 内閣府によると、被災地域では旧耐震基準適用の木造住宅が多く、石川県の珠洲市では1980年までに建てられた旧耐震基準の木造住宅の比率が66・0%、震度7を観測していたことが25日に判明した輪島市は56・4%となっている。
 過去の震災では、内閣府が2011年3月の東日本大震災の被害額を約16兆9千億円、16年4月の熊本地震の被害額を最大約4兆6千億円と推計している。1995年の阪神大震災の被害額は約9兆9千億円だった。
 気象庁は25日、能登半島地震で石川県輪島市門前町走出にある震度計でも、震度7を観測していたと明らかにした。通信が途絶え、入手できていなかったデータを確認した。1日午後4時10分の地震では志賀町で震度7を観測したが、輪島市でも震度7の揺れがあったことが確認された。

死者は236人
 石川県は25日、能登半島地震で確認された死者が、午後2時現在で3人増え、236人になったと発表した。3人はいずれも輪島市。
 被害が大きかった地域の中学生が集団避難している金沢市などの施設に、生活支援のため26日から県外の教員9人が派遣されることも明らかにした。
 安否不明者は輪島市15人、珠洲市4人で計19人。避難者数は1万4千人以上となっている。