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普天間PFAS 基準44倍 33地点超過 米基地の下流 高く


普天間PFAS 基準44倍 33地点超過 米基地の下流 高く 宜野湾市喜友名の「チュンナガー」入り口(資料写真)
この記事を書いた人 Avatar photo 慶田城 七瀬

 沖縄県環境保全課は26日、有害な有機フッ素化合物(PFAS)について、米軍基地周辺の湧き水や河川などの汚染実態を調べる「2023年度環境中実態調査」の結果を発表した。普天間飛行場や嘉手納飛行場周辺など46地点中33地点で国が定めた暫定指針値(1リットル当たりPFOSとPFOAの合計50ナノグラム)を超過した。最も高かったのは、普天間飛行場周辺のチュンナガーで2200ナノグラムで暫定指針値の44倍となり、同地点での最大値を記録した。

 22年度の夏季調査では、46地点中32地点、冬季は44地点中30地点で指針値を超過した。県は調査結果に変動はあるものの、おおむね横ばいの傾向がみられるとしている。

 県は高濃度のPFASが検出された地点の水を飲まないように住民に呼びかけている。また、普天間や嘉手納の両飛行場が「汚染源である蓋然(がいぜん)性が高い」として、国や米軍に対して立ち入り調査、国による原因究明を引き続き求めていく方針。

 調査結果によると、普天間周辺で21地点中12地点、嘉手納飛行場周辺で14地点中13地点、キャンプ・マクトリアスに近い天願川周辺で7地点中5地点、キャンプ・ハンセン周辺3地点中2地点、キャンプ瑞慶覧周辺1地点で暫定指針値を超えた。基地の下流域から高い値が検出される傾向が続いている。

 県は22年度まで夏季・冬季の年2回の調査を実施していたが、季節による大きな差異が確認できないとして、本年度以降は年1回の調査に変更し、8~11月にかけて調査した。本年度からは、基地周辺以外の汚染実態を把握するため、水と土壌の全県調査も実施した。

 PFASを巡っては、北谷浄水場の水源である中部河川から高濃度の値が検出されたため取水を停止している。水道供給単価引き上げにPFAS対策費も関係している。

 (慶田城七瀬)