安倍派２政務官更迭

　政府は３１日の持ち回り閣議で、自民党安倍派の小森卓郎総務政務官と加藤竜祥国土交通兼内閣府兼復興政務官の辞任を決定した。両氏は、安倍派の政治資金パーティーの還流を政治資金収支報告書に記載していなかったとして辞表を提出。事実上の更迭となる。小森氏の後任に岸田派の西田昭二衆院議員、加藤氏の後任には二階派の尾崎正直衆院議員を充てた。安倍派の政治資金裏金問題を受け首相は昨年１２月、同派の閣僚ら政務三役を更迭。一方、還流はないとされた小森、加藤両氏を含む政務官５人を続投させた経緯がある。山口俊一衆院議院運営委員長（自民）は国会内で記者団に「『（裏金に）関係ありません』と言っておいて関係があったのだから、当然辞めないとおかしい」と語った。
　立憲民主党の泉健太代表は３１日の衆院代表質問で「チェックせず、危機管理ができなかったのは深刻な問題。首相の責任は重大だ」と批判した。
　小森氏は記者団に、収支報告書に７０万円の不記載があったと認め「政治不信を招きおわび申し上げる」と述べた。議員辞職は否定した。加藤氏は安倍派からの還流１０万円が不記載だったとのコメントを発表。「確認の結果、１月に明らかになった。裏金をつくる意図はなかった」と釈明した。