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派閥裏金問題/自民、約90人に聴取開始/野党 「身内調査、公平性なし」 


派閥裏金問題/自民、約90人に聴取開始/野党 「身内調査、公平性なし」  高額の不記載が判明した議員ら
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 自民党は2日、派閥パーティー裏金事件を受け、政治資金収支報告書に不記載があった議員への聞き取り調査を始めた。会計責任者らが立件された安倍派、二階派、岸田派の90人程度が対象で、森山裕総務会長を座長に党執行部6人が分担して聴取する。野党は自民の身内による調査では公平性が保てないと疑問視する。自民はこれと別に、所属全議員を対象に裏金受領の有無を確認するアンケートも実施する。 (6面に関連)

 岸田文雄首相は参院代表質問への答弁で「聞き取りの進捗(しんちょく)状況を踏まえながら、党として必要な説明責任を果たす」と述べ、自身も結果報告を受ける考えを示した。アンケートに関しては記者団に「できるだけ早くスタートする」と強調した。
 聞き取り調査では、派閥パーティーの収入から還流を受けた金額や使途の説明を求める。還流が始まった経緯や、収支報告書に記載しなかった理由、収支報告書を議員本人が最終確認していたかどうかも質問する。対象となる3派閥は解散方針を決めている。2日は二階派の議員から聴取したもようだ。週末も続け、来週中の取りまとめを目指す。岸田派は根本匠事務総長が対象に含まれる。結果を踏まえて茂木敏充幹事長が党の処分を検討する。
 公明党の山口那津男代表は記者団に「全体像に迫り、説明責任を果たす取り組みが重要だ」と指摘した。立憲民主党の泉健太代表は記者会見で、第三者を介さない調査手法では「忖度(そんたく)や遠慮が働くかもしれない。お手盛り調査が信頼に足るのか」と疑義を呈した。
 自民は聴取と並行して、党政治刷新本部の下に三つの作業部会を設け(1)政治資金に関する法整備検討(2)人事制度を含む党機能の強化(3)党則見直し―の3項目の改革を具体化する。首相側近の木原誠二幹事長代理中堅若手でメンバーを構成し、来週にも議論を始める方向だ。