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23年実質賃金2.5%減/厚労省統計 2年連続マイナス


23年実質賃金2.5%減/厚労省統計 2年連続マイナス 主要産業別の現金給与総額の増減率
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 厚生労働省が6日発表した2023年の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上の事業所)によると、物価変動を考慮した実質賃金は前年比2・5%減だった。マイナスは2年連続。2%台は消費税率が引き上げられた14年(2・8%減)以来、9年ぶり。名目賃金に当たる現金給与総額は1人当たり月平均で1・2%増の32万9859円だったが、物価高騰に追い付かなかった。
 一方、総務省は2人以上世帯の23年家計調査を発表。1世帯当たりの月平均消費支出は物価変動の影響を除く実質で前年比2・6%減だった。マイナスは3年ぶり。教育費などを切り詰める動きが出た。
 厚労省によると、給与総額は3年連続で増加した。うち基本給などの所定内給与は1・2%増の25万1309円。春闘の高水準の賃上げを受け27年ぶりの増加率だった。
 武見敬三厚労相は記者会見で「国民生活を豊かにしていくため実質賃金の上昇が必要。賃上げの流れが地方や中小企業に波及するよう機運醸成に努める」と言及。知事や労使代表が話し合う地方版政労使会議を精力的に開く意向を強調した。
 23年の給与総額の内訳では、残業代などの所定外給与は0・3%増の1万8980円。賞与を含む特別に支払われた給与は2・0%増の5万9570円だった。
 給与総額を就業形態別に見ると、フルタイムの一般労働者は1・8%増の43万6849円、パートタイムは2・4%増の10万4570円で、いずれも過去最高額だった。
給与総額は24カ月連続プラスだった。