バースに接岸できない可能性 船底の深さが安全基準超える 石垣寄港を計画の米艦船


バースに接岸できない可能性 船底の深さが安全基準超える 石垣寄港を計画の米艦船 米海軍のミサイル駆逐艦ラファエル・ペラルタ=2020年7月3日、うるま市勝連の米軍ホワイトビーチ
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 【石垣】米海軍の艦船が3月11~14日に石垣港クルーズ船バースに寄港する計画で、艦船の喫水(船底)が深く、安全基準を上回るため、バースに接岸できない可能性があることが8日、分かった。港湾管理者の石垣市は情報収集などを慎重に進めており、早ければ9日にも米側の窓口となっている石垣海上保安部に接岸の「可否」について回答する見通し。

 艦船は米海軍ミサイル駆逐艦「ラファエル・ペラルタ」。市港湾課によると、水面から船底までを指す喫水について、米側は9.8メートルと通知している。

 日本港湾協会は港湾を安全に使用するための基準として、喫水×1.1の計算式を定めており、これで出た数字が水深を上回らないことが望ましいとしている。寄港予定艦船を計算式に当てはめると10.8(小数点第2位繰り上げ)となり、バースの水深10.5を上回る。艦船は数字上は接岸できない。

 昨年9月に寄港した米海軍の掃海艦「パイオニア」やこれまでの民間大型客船はこの基準をクリアしていた。ただ、喫水は積み荷の重量や船舶の形などで変わることがあるため、市港湾課は艦船について慎重に情報収集・精査をしている。

 3月13日にはイタリア船籍の客船が入港予定で、市港湾課は「客船が優先」として、艦船寄港で客船の接岸を取りやめることはないとの考えを示した。

 (照屋大哲)