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政治改革に対し 熱量の低さ表す


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 法政大大学院の白鳥浩教授(現代政治分析)の話
 共同通信社のアンケートで自民党国会議員の回答率が23%にとどまった。リクルート事件に端を発した「平成の政治改革」に比べ、「令和の政治改革」への意欲や熱量が低いことをうかがわせる。
 党の閉塞(へいそく)感を反映していると言えるだろう。これは衆院小選挙区制の導入によって、公認権を持つ党執行部の力が強まったことが影響している。「軽率な発言をすれば、公認を得られない」という恐怖感から党執行部への忖度(そんたく)が広がっているのではないか。その中で、一部が実名での回答に応じたのは光明だ。2021年衆院選で初当選した保岡宏武衆院議員は「公認の在り方の見直しが必須だ」と指摘。当選2回の和田政宗参院議員は、政党のガバナンス(組織統治)向上のため「政党法」の制定を提唱した。いずれも建設的な提言だ。党総裁の岸田文雄首相は、こうした意見を今後の議論に反映させるべきだ。これまでの首相の姿勢は、政治家の罰則強化など抜本改革に腰が引けているように映る。名ばかりの改革に終われば、国民の政治不信は深刻化の一途をたどるだろう。