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選挙、機密費で新疑惑/甘利、松野氏 野党が追及


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 野党は14日の衆院予算委員会で、事実上の「裏金」と称される政策活動費を追及した。2021年衆院選で自民党の甘利明幹事長(当時)が各地の陣営に配った疑惑があると指摘。同じく使途公表不要の内閣官房報償費(機密費)でも、松野博一官房長官(同)が昨年12月の辞任直前にまとまった金額を引き出したのは不自然だとして、使途の公開を迫っている。
 甘利氏について、立憲民主党の井坂信彦氏は(1)政治資金収支報告書によると、幹事長在任中の21年10月、自民から政策活動費3億8千万円を受け取った(2)当時は衆院選期間(3)選挙戦の最中、政策立案や調査研究目的の支出は考えにくい―と分析。陣中見舞いとの見方から「選挙以外に一体何にお金を使うと思っているのか」と訴えた。
 19年参院選時の政策活動費の扱いも取り上げられた。中国新聞は14日、選対委員長だった甘利氏が各地の自民公認候補側に100万円を配ったと説明していたと報道。井坂氏はこれを踏まえ「違法の恐れがある」とした。
 松野氏の機密費引き出しは、共産党が情報公開で入手した関連文書に基づき追及する。政府は13日の衆院予算委で、松野氏が昨年12月1日から辞任した同14日までに4660万円を支出していたと認めた。同党の穀田恵二氏は「内閣の闇金だ」と批判した。
 だが、政府はいずれも使途公開に応じない。政策活動費は「適切に使われている」(岸田文雄首相)、機密費は「明らかにするのが適当でない性格の経費」(林芳正官房長官)と繰り返す。野党の反発は強まっている。