有料

自民調査公表 回答は匿名 使途は懇親、車購入も 裏金「20年以上前から」 32議員「還流を認識」


自民調査公表 回答は匿名 使途は懇親、車購入も 裏金「20年以上前から」 32議員「還流を認識」 裏金事件を巡る調査結果を岸田首相に報告した森山総務会長=15日午後、首相官邸
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

自民党は15日、派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、政治資金収支報告書に不記載があった議員ら計91人に実施した聞き取り調査の結果を公表した。派閥から還流された金を議員自ら認識していたのは32人で、うち11人は収支報告書への不記載を認識していたと明らかにした。懇親費用や車両購入に使ったとの回答があった。安倍派では不記載が20年以上前から行われていたこともうかがわれるとした。安倍派「5人組」ら調査対象を公表した一方、具体的回答は匿名とした。
岸田文雄首相は記者団に「今回で説明責任が果たされるものではない。今後も説明責任を果たすよう求めていく」と強調した。立憲民主党の泉健太代表は記者団に「肝心なことは何も書いていない。お手盛りの調査だ」と自民批判を強めた。
調査結果は使途について「政治活動以外に用いた」「違法な使途に使用した」との回答が「一人もいなかった」と記載した。安倍派について、パーティー券の販売ノルマ超過分を派閥から各議員秘書らに現金で手渡しする方法で還流していたようだと指摘。収支報告書への不記載は、20年以上前にも言及した上で「遅くとも十数年前から行われていた可能性が高い」と結論付けた。再発防止策として「政治とカネに関する不正行為に厳罰を科すなどペナルティー強化は、国民の信頼回復のために不可欠だ」と強調。銀行口座振り込みの徹底や、領収書などを念頭にデジタル化の推進を提言した。
アンケートで2018~22年に収支報告書への不記載があったのは85人(現職82人、選挙区支部長3人)、総額約5億7949万円だった。
裏金事件を巡る調査結果を岸田首相に報告した森山総務会長=15日午後、首相官邸