有料

「二重被災」住宅3000棟超/能登地震・珠洲市 23年5月にも損壊


「二重被災」住宅3000棟超/能登地震・珠洲市 23年5月にも損壊 石川県珠洲市で片付けをする男性=17日
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 1月の能登半島地震で甚大な被害が出た石川県珠洲市で、昨年5月の震度6強の地震でも被害を受けた「二重被災」の住宅が3千棟超に上るとみられることが17日、市への取材で分かった。修理や再建に取り組む中で再び被災したケースもあり、多重の経済的負担が復興のハードルになる可能性がある。市は被災者に財政的な支援をするため、国に大規模な特別交付税措置を求める考えだ。

 市によると、昨年5月の地震では、住宅だけで全壊40棟、大規模・中規模半壊313棟、準半壊と一部損壊が3027棟の被害があった。他市町では一部損壊が計30棟ほどで、珠洲市の被害が群を抜いていた。
 行政からの支援金で住宅を修理・再建した人もいるが、仮設住宅に16世帯29人が暮らし、これから再建を目指す人もいた。自治体が「準半壊」以上の住宅を住み続けられるよう修理する国の「応急修理制度」には574件の申請があり、完了したのは468件だった。
 そうした中で今年1月に再び激しい地震に襲われた。市は現在、被災家屋を全戸調査中だが、「昨年5月の地震で被害があった建物が再び被害を受けた状況」とする。全壊家屋は大幅に増え、市内全約6千世帯の4割ほどと見積もっている。
 市は昨年5月の地震を受けて独自の支援制度を創設し、国の制度で対象外となる軽微な被害にも支援してきた。再び同水準の支援をする場合は100億円程度が必要と試算している。
 国は1月の地震後、珠洲市に特別交付税約17億8千万円を配ったが、泉谷満寿裕市長は「国にはさらなる特別交付税措置を強く求めたい」としている。