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第三国輸出 戦闘機限定 政府調整 全面解禁先送り


第三国輸出 戦闘機限定 政府調整 全面解禁先送り 次期戦闘機のイメージ (防衛省提供)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 国際共同開発する防衛装備品の第三国輸出を巡り、政府、自民党は英国、イタリアと共同開発する次期戦闘機に限定して輸出解禁を目指す方向で調整に入った。武器輸出の大幅拡大につながらないよう歯止めが必要だと主張する公明党に配慮した格好で、全面解禁は当面先送りとなる見通し。複数の政府関係者が18日明らかにした。今後の与党協議で、輸出解禁について公明の理解を得られるかどうかが焦点となる。

公明の理解 焦点に
 防衛装備移転三原則の運用指針に明記する方向で検討する。具体的な輸出先として、日本と「防衛装備品・技術移転協定」を締結した国などに絞る案も浮上している。
 自公は昨年4月、第三国輸出を認めていない三原則のルール緩和に関する実務者協議に着手。7月には「容認」の方向で論点を整理したが、11月以降に公明が慎重姿勢に転じ、協議は停滞している。政府は、今年3月以降に戦闘機開発を巡る3カ国協議が本格化するとして、今月中の与党協議の結論を求めている。
 岸田文雄首相と公明の山口那津男代表は13日に会談し、自公両党の協議レベルを従来の実務者間から格上げして政調会長間を軸とする方針で合意した。この方針に基づく協議が近く始まる予定だ。政府高官は「今の状態で公明を説得するには、次期戦闘機に限るのが現実的だ」と説明した。
 公明の石井啓一幹事長は16日の記者会見で、殺傷能力がある武器輸出の拡大を巡り「一定の歯止めが重要だ」との考えを示していた。