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共同親権導入を了承 自民


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 自民党法務部会は19日、離婚後の共同親権を導入する民法などの改正案を了承した。離婚後は父母どちらかの単独親権を義務付ける現行規定を改め、協議で親権の在り方を決めるとし、折り合えなければ家裁が判断する。政府は3月にも改正案を国会に提出。成立すれば、公布後2年以内に施行するとしている。
 改正案は、虐待やドメスティックバイオレンス(DV)の恐れがある場合に家裁は共同親権を認めないと定めるが、密室で起きることが多く、見逃されるとの懸念は根強い。離婚後も父母双方が子どもの養育に関われるとして保守派を中心に共同親権を支持する意見がある一方、慎重意見も広がっており国会では激しい論戦が予想される。共同親権では、子どもの進学や病気の長期的治療といった重要事項は父母が話し合って決める。意見が割れて期限に間に合わないなど「急迫の事情」があれば一方だけで決定できる。急迫の事情には虐待・DV加害者からの避難も含まれるとされる。日常的な事柄は同居する親だけで判断できる。
 家裁は虐待・DVの恐れや、父母の対立が激しいなど「子の利益を害する」と認められる場合、どちらか一方の単独親権に定める。ただ、家裁が適切に判断できない恐れがあるとも指摘される。政府は公布後2年以内の施行として準備期間を設け、家裁の体制強化を進めるとみられる。
 改正案は他に、多発する養育費不払いの対策として、離婚時に取り決めていなくても最低限の支払いを義務付ける「法定養育費」の創設も盛り込んだ。