PFAS濃度の高い比謝川から取水 きょう再開 ダム貯水率は最低更新確実


PFAS濃度の高い比謝川から取水 きょう再開 ダム貯水率は最低更新確実 比謝川取水ポンプ場
この記事を書いた人 Avatar photo 沖田 有吾

 少雨によって沖縄本島内11ダムの貯水率が低下を続けていることを受け、国や県などでつくる沖縄渇水対策連絡協議会は27日、会議を開き、県企業局の提案した比謝川からの取水再開を決定した。

 比謝川は有機フッ素化合物(PFAS)濃度が高く、2022年から汚染対策として取水が停止されていた。企業局は28日午前10時から取水する予定。

 ダム貯水率は27日午前0時時点で平年値より31・5ポイント低い44・4%。11ダム体制となった14年以降の過去10年間で最低の44・3%を28日にも下回ることが確実だ。梅雨時まで可能な限りダムの水量を温存するため、比謝川からの取水再開に踏み切った。

 このまま少雨が続けば3月前半に40%を、4月前半には30%を下回る見込みで、さらなる節水が求められる。

 沖縄総合事務局北部ダム統合管理事務所の中園幸樹所長は「少雨が続き山が乾いていることから、少しの雨ではすぐに土にしみこんでしまい、貯水率の維持・回復にはつながっていない」と分析した。

 次回の協議会は、給水制限を視野に入れることを決めるタイミングで開催する。協議会会長の河南正幸沖縄総合事務局次長は、1月16日に同協議会が節水の呼び掛けを始めた後も貯水率の低下速度に影響を与えるほどの効果は生じていないとして「改めて、水を利用している皆さんには節水の取り組みの強化をお願いしたい」と求めた。

 (沖田有吾)