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【記者コラム】不確かな情報は届けない 與那原采恵(政経グループ)


【記者コラム】不確かな情報は届けない 與那原采恵(政経グループ)
この記事を書いた人 Avatar photo 與那原 采󠄀恵

 「最近は新聞もテレビもネットも全部違うことを言っていて、何を信じたらいいか分からない」

 記者になって間もない昨年4月、友人から言われた言葉だ。この言葉を聞いた時「新聞社に就職した私に対してなぜそのようなことを言うのか」というモヤッとした感情を抱いたと同時に、どういう言葉を返したらいいか分からなかった。

 インターネットで検索すれば一瞬でたくさんの情報が出てくる時代。だからこそ「何が正しい情報なのか」を判断するための知識も必要になる。友人と話していると、出どころ不明の全くのフェイクニュースを信じ切っている人もいる。確かに、学校の授業では正しい情報の集め方を習う機会は少ない。どのメディア媒体を信じたらいいか分からないと感じるのも当たり前かもしれない。

 4月から今日までの約1年間、読者に正しいニュースを届けるために情報を集め、記事を書くため必死に情報の「裏」を取る先輩たちの姿を数多く見てきた。情報をつかんでいても裏が取れずにもがくことも多い。どんなに短い記事でも、不確かな情報を記事にすることは許されない。

 もし今、誰かに冒頭の言葉を再び言われたなら「新聞は不確かな情報は届けない」と胸を張って返せる。毎日が勉強の連続で実力不足を実感する日々。まだまだ未熟な記者だが、何も言い返せなかった1年前に比べれば、少しは成長できているのかもしれない。