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<記者コラム>芸に触れることが後押しに 嘉手苅友也(暮らし報道グループ文化芸能班)


<記者コラム>芸に触れることが後押しに 嘉手苅友也(暮らし報道グループ文化芸能班)
この記事を書いた人 Avatar photo 嘉手苅 友也

 デジタル、営業の部署を経て、入社4年目にして文化芸能班の新人記者になった。引き継ぎをそこそこに、異動初日から音楽、舞台芸術、映画などを追っかける刺激的な毎日だ。

 先日、ビューローダンケ主宰の渡久地圭さんらが「おとゆい」という沖縄らしいクラシック音楽を探る企画を紹介してくれた。各国の楽団には、音の抜き方やアクセントの置き方など、楽譜からこぼれ落ちる伝統的な「訛なまり」があるという。日本は楽譜を正確に奏でることが大事とされる。正確さも美しさの一つだが、沖縄流の「訛り」を探求し、琉球芸能のような、世界に誇れるオリジナリティーを確立しようと取り組む。

 県出身のラッパーAwichさんは記者会見で「沖縄の価値観、思想、文化を持って世界を一つにする一端を担えるよう努力していきたい」と話していた。さらに、「(世界に注目されるものが)この小さな島に詰まってるということを自覚してほしい」とも。

 足下を見つめ、世界に羽ばたこうとする作品は、あらゆるジャンルで生まれている。まずは県民が触れることが後押しになる。芸能関係者の挑戦や芸に興味を持ってもらえるよう、DNAに訴えかける記事を書いていきたい。余談だが、嘉手苅流の引き継ぎが理解できず、営業からの内線がままある。引き継ぎは「訛りではなく正確さが大事だ」と現実社会とのギャップに苦笑いしてしまう。