「ミサイルはいらない」陸自車両の陸揚げに市民ら抗議 中城湾港 沖縄


「ミサイルはいらない」陸自車両の陸揚げに市民ら抗議 中城湾港 沖縄 市民らが座り込むなどして抗議する中、陸上自衛隊勝連分屯地へ向かう車両(右奥)=10日午前10時7分、うるま市(小川昌宏撮影)
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【うるま】うるま市の陸上自衛隊勝連分屯地への地対艦誘導弾(ミサイル)部隊配備に向け、トラックやトレーラー19台が10日、中城湾港へ陸揚げされた。中城湾港のゲート前には、配備に反対する人など約150人が集まり「戦争につながるミサイル配備はいらない」と怒りの声を上げた。配備予定の12式地対艦ミサイルの部隊は21日に発足予定で、部隊設置は沖縄本島では初。

民間船で輸送されたトラックやトレーラーは中城湾港から公道を使用し、勝連分屯地まで移動した。ミサイルの発射機などは港湾業界との調整がつかず、民間船での輸送は取りやめた。11日以降、空輸で那覇空港へ搬入し、公道を使って勝連分屯地に輸送する予定。

中城湾港のゲート前では抗議集会が開かれた。マイクを握った「ミサイル配備から命を守るうるま市民の会」の照屋寛之共同代表は「住宅のすぐ近くにミサイル配備とは、住民を何だと思っているのか。説明会も開かず排除しようとするのは民主国家のやることか」と憤った。抗議する人たちが港のゲート前に座り込んだため、自衛隊車両は別のゲートから公道に出た。勝連分屯地前でも抗議行動が行われ、車両が分屯地内へ進入するのを約1時間阻止した。最後は機動隊が抗議する人を排除し、車両は分屯地内に入った。

玉城デニー知事は那覇市内で報道陣の取材に応じ「計画ありきで物事を強引に進めていくやり方はいかがなものかと言わざるを得ない。住民が反対するのも致し方ないことだ」と述べた。

配備予定の12式地対艦ミサイルは射程百数十キロとされる従来型で、将来的に長射程化して敵基地攻撃能力を担えるようにした「能力向上型」に置き換えられる可能性がある。

(金盛文香、梅田正覚)