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首相「平素から訓練重要」 参院決算委 避難計画巡り認識


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 岸田文雄首相は1日の参院決算委員会で「台湾有事」を念頭にした先島諸島からの避難計画やシェルター整備について「平素から国と地方、官民が連携し、必要な検討や訓練を進めることが重要だ」との認識を示した。清水真人氏(自民)への答弁。
 先島諸島からの避難やシェルター整備など、国民保護の取り組みへの決意について問われて答えた。岸田氏は「我が国を取り巻く厳しい安全保障環境の中で、万が一、武力攻撃予測事態等に至った際に、国民を守る取り組みとして国民保護のための体制を強化する。こうした体制の強化は極めて重要であると認識している」と述べた。その上で、3月29日に内閣官房が公表した先島5市町村でのシェルター整備の基本方針などを「指示をしてきた」と強調した。
 清水氏は国民保護の取り組みに関して、一般市民に多数の犠牲が出た沖縄戦を例に挙げ「要因の一つには疎開が徹底できなかったことが挙げられている」とし、シェルター整備を加速すべきだと林芳正官房長官にも認識をただした。
 林氏は「武力攻撃より十分に先立って住民避難を実施するということが住民の安全確保のために最も重要だ」と述べた。 (嘉数陽)