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残業規制始まる 過労死抑止、人手不足は深刻


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 働き方改革関連法に基づく時間外労働(残業)の上限規制が1日、自動車運転業、建設業、医師、鹿児島・沖縄両県の製糖業の4業種に導入された。2019年から始まった上限規制は全業種で雇用されている人が対象となった。過労死まで招いた長時間労働の反省から始まった制度改革の節目で、抑止の実効性が問われる。一方で対象業種の人手不足は深刻で、利用者への影響は避けられない。物流停滞など「24年問題」も懸念され、社会全体で働き方を問い直す契機となりそうだ。
 規制は19年4月から多くの業種で導入されていた。4業種は業務の特殊性から長時間労働が常態化し、早期導入が難しいと判断。5年間猶予して改善を図った。だが発注者側の意向が強く反映される物流や建設業界の慣行もあり、総じて大きな改善はできなかった。
 新たに、自動車運転業(トラック、バス、タクシー)に「年960時間以下」などとする上限を導入する。ただ過労死ラインとされる月80時間と同水準であるほか、労働時間を正しく記録しない「闇残業」が横行する懸念も指摘される。