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4月15日は「イリオモテヤマネコの日」 生態知らせ、保護活動広める<ニュースはじめの一歩>


4月15日は「イリオモテヤマネコの日」 生態知らせ、保護活動広める<ニュースはじめの一歩> 世界中で西表島にのみ生息するイリオモテヤマネコ(山城博明氏撮影)
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Q 4月15日は「イリオモテヤマネコの日」と聞きました。なぜですか?

A イリオモテヤマネコは、1965年に新種であるということが分かりました。竹富町の西表島のみに生息する固有種で「世紀の発見」とも言われました。

 琉球大の教授を務めていた高良鉄夫さんが61年から西表島で調査を続けていました。65年の2月に作家の戸川幸夫さんが西表島を訪れた際に、高良さんの依頼もあって、島で骨や毛皮を採集し、専門家に調べてもらいました。その結果、新種であることが判明しました。その発表があったのが65年の4月15日でした。

 琉球政府は67年に天然記念物に指定。72年の日本復帰に伴い、国の天然記念物に指定されました。復帰後は島の開発が進み、生息環境は悪化していきます。

 自動車にひかれてしまうなどの被害が相次ぎました。訪問客の増加などで、生息地への人の立ち入りが増え、生息しにくくなっているとの懸念もありました。

 2007年には環境省レッドリストで絶滅の危険性が最も高い「絶滅危惧ⅠA類」に格上げされました。08年の調査で約100匹と推定されています。

 新種発見から50年の節目の15年、竹富町は4月15日を「イリオモテヤマネコの日」とする条例を制定しました。記念日を設けるだけではなく、共存していくことを誓い、保全推進期間を設けることなどを町の責務として定めました。

 毎年、この時期には生態や保護活動について知ってもらう行事が行われます。