安全保障上重要施設周辺の土地取引を規制する土地利用規制法で、内閣府が12日に新たに那覇市の陸上自衛隊那覇駐屯地周辺を「特別注視区域」として指定すると告示したことについて、知念覚那覇市長は17日の会見で、人口集中地区である同市の「実態を見ていない」と苦言を呈した。
新たな指定は5月に施行される。特別注視区域に指定されると、200平方メートル以上の土地売買で事前届け出が義務化されるため、知念市長は「土地取引に弊害があれば検証し、国に訴える機会もあり得る」と述べた。
内閣府によると区域指定において市町村の境界は考慮しないという。そのため、同駐屯地周辺の特別注視区域は、人口の多い那覇市金城や具志などの地域のほか、豊見城市の瀬長島や農業振興地域の与根を含んでいる。
内閣府は「区域面積の大部分が人口集中地区」の場合は区域指定しない留意事項の一つとしているが、知念市長は「豊見城市の一部を含むことで人口集中面積が減る」と述べ、指定方法を疑問視した。
経済への影響が少ない注視区域への見直しを求めていただけに、知念市長は「もう少し現実的な部分を見てほしいというのが本音」と語った。
(嘉陽拓也)