【東京】防衛省がうるま市石川での陸上自衛隊訓練場整備計画を断念したことを巡り、衆院安全保障委員会で県選出野党議員から「英断」と評価する声が上がった。その上で、議員らは市への説明に関する経緯が「ブラックボックス」と指摘し、断念を発表した文書に自民党県連の要請を明記したことは県議選を見据えた「政治利用」などと批判した。
屋良朝博氏(立民)と新垣邦男氏(社民)はそれぞれ「英断」と評価した。その上で屋良氏は市への説明の経緯を「ブラックボックス」と指摘し、明らかにするよう求めた。
赤嶺政賢氏(共産)は防衛省が断念を公表した文書に「中村うるま市長と島袋大・自民党県連幹事長から要請を受けた結果」と記されていたことに「特定の党派による要請を明記した部分を削除すべき。県議選を前に大臣の立場で政治利用したのは明らかだ」と批判した。
木原稔防衛相は「私自身としては(市長と自民党県連の要請が)決め手となった。事実を端的に説明するために事務的に作成した文書だ。政治利用する意図は毛頭ない」と述べた。
(明真南斗)