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嘉手納基地の北側、ヘリ格納庫工事に着手 地元は移転求めるも変更されず 沖縄


嘉手納基地の北側、ヘリ格納庫工事に着手 地元は移転求めるも変更されず 沖縄

 沖縄県の米軍嘉手納基地=2014年2月撮影

この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 米軍が嘉手納基地の北側で、既存施設の建て替えに伴う新たなヘリコプター格納庫新設工事に着手したことが24日までに分かった。同基地の第33救難飛行隊が運用する救難ヘリの整備や格納などに使用する見込み。

 嘉手納町は当該地は住宅地に近く、以前からヘリのホバリングによる騒音の発生源になっているなどとして施設を別の場所に移転するよう求めていた。複数の関係者によると、新格納庫の整備場所は従来施設から変更されなかった。

 米陸軍工兵隊はSNS上で、17日の工事着手を公表した。それによると、新しい格納庫は約1万2200平方メートルある。また、管理事務所やシミュレーター、6機のヘリを収容できる航空機エプロンや、航空機を洗浄する施設も設ける。新施設は「台風などの天候に耐えられるよう建設する」と強調した。

 嘉手納基地は新型の救難ヘリHH60WジョリーグリーンⅡの導入を進めており、その運用拠点になる。

 県には昨年7月、沖縄防衛局から情報提供があり、2026年11月に完成予定で、新施設では「騒音低減も含め、環境に配慮する」と米軍は説明しているという。

 21年に同格納庫の整備計画が明らかになった際には嘉手納町議会が抗議決議と意見書を可決。同町も住民居住地域に隣接する現在の場所から移し、住民の基地負担軽減を図るよう求めていた。
  (知念征尚、金盛文香、明真南斗)