有料

米軍、3カ月ぶり嘉手納降下訓練を強行 基地負担、増大の一途 沖縄


米軍、3カ月ぶり嘉手納降下訓練を強行 基地負担、増大の一途 沖縄 パラシュートで降下する米兵=8日午後7時51分、米軍嘉手納基地(ジャン松元撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【中部】米軍は8日、嘉手納基地でパラシュート降下訓練を実施した。米軍は昨年12月から5カ月連続で降下訓練を実施し、前回は4月19日だった。嘉手納基地へは6月までに新たに無人偵察機が一時配備された。米軍は新型のF15EX戦闘機を配備する方針を示しており基地負担はさらに増す。県や地元自治体は、訓練の常態化・長期化への懸念と、改めて実施を認めない立場を示した。

 訓練は8日午後7時1分から同59分の間、3回に分けて実施。本紙の目視では、MC130特殊作戦機から計36人の兵士が飛び降り、基地内に着地した。

 嘉手納基地での訓練予告を受け県は8日、沖縄防衛局と外務省沖縄事務所、第18航空団に対し、訓練を実施しないよう口頭で要請した。嘉手納での訓練が「もはや常態化していると言わざるを得ず、日米合同委員会で合意したとされる例外的要件にも当たらない」と強く問題視した。

 訓練移転先となっている伊江島補助飛行場の滑走路改修に向けた計画が、いまだ示されていないとし「改修が完了するまでに相当の期間を要することも考えられる」と指摘した。嘉手納での訓練長期化に警戒感を示した上で、改修が終わるまでの間、訓練を国外、県外で実施するよう改めて求めた。

 沖縄市、嘉手納町、北谷町でつくる、嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会(三連協)の会長を務める桑江朝千夫沖縄市長は、文書でコメントを発表し、「住民の安全と平穏な生活を守るという立場から、容認することはできないというのが三連協の基本的な考え方」とし、「訓練を行わないことを引き続き強く要請する」と述べた。

 (金盛文香、知念征尚)