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嘉手納基地パラシュート降下訓練、国に抗議 沖縄県「良き隣人、ほど遠い」


嘉手納基地パラシュート降下訓練、国に抗議 沖縄県「良き隣人、ほど遠い」 嘉手納基地でのパラシュート降下訓練について、伊藤晋哉沖縄防衛局長(左端)と外務省の宮川学沖縄担当大使(同2人目)に抗議する池田竹州副知事=9日、県庁
この記事を書いた人 Avatar photo 與那原 采󠄀恵

 米空軍が8日、嘉手納基地でパラシュート降下訓練を実施したことを受け、池田竹州副知事は9日、外務省の宮川学沖縄担当大使と沖縄防衛局の伊藤晋哉局長を県庁に呼び、抗議した。

 抗議書は、米軍人による性的暴行事件などが相次いで発覚している中で訓練が行われたとし「県民の思いを踏みにじるものと言わざるを得ず、非常に遺憾だ」と批判。嘉手納での降下訓練を行わないことなどを要請した。

 嘉手納基地でのパラシュート降下訓練は、昨年12月から5カ月連続で行われた後、天候不良のため中止が続き、4月以来の実施となった。米軍は伊江島補助飛行場の滑走路の状態悪化などを理由に挙げている。

 池田副知事は約3カ月間、嘉手納で訓練が実施されなかったことに触れ「同飛行場で必ず実施する必要性はないのではないか」と指摘。「米軍は着任あいさつなどで『良き隣人でありたい』という話をよくするが、米軍人による凶悪事件が相次ぎ、県民が反対する中でこのような訓練を行うことは県民からすると、良き隣人からはほど遠い存在としか思えないのではないか」と疑問視した。

 伊藤氏は「伊江島の滑走路が早期に使用再開されるよう、米側に強く働きかけており、引き続き強く努力したい」と話した。 

(與那原采恵)