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「傍若無人」 米軍パラシュート訓練に嘉手納町議会が抗議決議 沖縄


「傍若無人」 米軍パラシュート訓練に嘉手納町議会が抗議決議 沖縄 5カ月連続となる米軍のパラシュート降下訓練に厳重抗議する意見書を全会一致で可決する嘉手納町議会=26日、嘉手納町の嘉手納町役場
この記事を書いた人 Avatar photo 金盛 文香

 嘉手納町議会(仲村渠兼栄議長)は26日、臨時会を開き、5カ月連続で実施された嘉手納基地での米軍パラシュート降下訓練に厳重抗議する意見書と決議を全会一致(欠席4)で可決した。意見書と決議では「米軍の傍若無人な基地運用に対し強い憤りを禁じ得ない。例外的措置を盾に常態化する嘉手納基地でのパラシュート降下訓練に対して厳重に抗議する」と指摘した。同日、仲村渠議長は沖縄防衛局に伊藤晋哉局長を訪ね、意見書を手渡した。

 米軍は伊江島補助飛行場の滑走路の状態が悪いことを理由に、昨年12月から嘉手納基地でパラシュート降下訓練を実施した。今年1月以降も毎月行われ、5カ月連続となった。

 基地対策特別委員会の當山均委員長は、米軍が19日、5カ月連続となる嘉手納基地でのパラシュート降下訓練を実施したことを受け「なし崩し的に(日米特別行動委員会の)合意事項が覆されている状況だ。地元の議会がタイムリーに意見書を上げるべき」と発議の趣旨を説明した。

 意見書と決議は(1)嘉手納基地の降下訓練を全面禁止すること(2)伊江島補助飛行場の改修が完了するまで県外・国外で実施すること(3)「例外的措置」を撤廃すること―の3点を求めた。

 意見書を受け取った伊藤局長は「伊江島補助飛行場が使用できない状況が継続しており、防衛省として例外に該当すると認識している。同飛行場の早期使用再開に取り組んで参りたい」と回答した。

 要請後、當山委員長は「米側が1回(の要請)で変わるとは思っていない。粘り強く、タイムリーに声を出し続けていく」と抗議を継続する考えを示した。

 (金盛文香)