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糸満、予算修正案可決 暫定解消、福祉施設は遅れ 市議会


糸満、予算修正案可決 暫定解消、福祉施設は遅れ 市議会 糸満市役所(資料写真)
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 【糸満】糸満市議会(金城寛議長)は2日の臨時会で、2024年度一般会計予算案について、市地域福祉センター整備費を削除した修正案を賛成多数(賛成10、反対8、出席停止1)で可決し、修正部を除く原案を賛成多数(賛成17、反対1、出席停止1)で可決した。3月定例会で一般会計予算案が否決され、4月から暫定予算で市政が賄われてきた状況は解消されたが、福祉の拠点となる地域福祉センターの整備着手は遅れる見通しだ。

 3月定例会では、地域福祉センター整備を含む5事業を減額する予算案の修正案が可決された。ただ、當銘真栄市長が修正案の審議をやり直す再議を発動した結果、修正案も原案も否決され、4月から7月までの暫定予算が組まれた。

 暫定予算は行政を滞らせないための義務的経費が中心のため、市道整備など一部の予算計上が先送りされた。

 今回、當銘市長は再議を発動せず修正案を受け入れた。理由について「暫定予算が続くと他の補助事業で県や国と協議が進まず、事業の遅れが市民生活に影響を及ぼしかねない。地域福祉センター整備に理解が得られず残念だが、市政を正常な状態に戻すことを重視した」と語った。

 地域福祉センターには、建物の老朽化が進む市社会福祉協議会が移転予定だ。臨時会で市当局は、3月議会で修正された5事業のうち、地域福祉センター整備を「市全体の福祉の観点で緊急性が高い」として優先して同額で再び提案していた。修正案を提出した野党市議らは「建設に反対する訳ではない」としつつ、市財政の状況などを理由に計画見直しを求めた。

  (岩切美穂)